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特異な事例

▼事例1
A敷地とB敷地を購入予定、上空通路を設置したいがどのような手続きや協議が必要なのか。

A社の悩み

道路を挟んで両側にある建物間を結ぶ渡り廊下のことを一般的に「上空通路」と呼びます。
百貨店や大型ショピングセンター・病院などでよく見られますが、ご質問の内容は大規模小売店舗施設をA敷地、必要台数を満足する立体駐車場棟をB敷地に建設し、上空通路で結ぶことで一の建物(A+B)として大店立地法の届出手続きをしようとしたときに、どのような手続きと協議及び所要期間が必要なのか分からない。
(図1参照)

A社の悩み。

アールアンドエーのソリューション

道路を挟んでA棟、B棟の商業施設を連絡する「上空通路」(図2参照)と同じ機能をはたす公共物として「横断歩道橋」があります。「横断歩道橋」(図3参照)の場合、公共物としての性格上、道路の両端歩道内に階段を設置して道路を横断する歩行者が24時間、365日常時横断出来る状態を確保しなくてはなりません。
道路管理者(道路の所有者すなわち、国、県、市町村)の事前承認が得られれば、民間事業者の負担で横断歩道橋を建設し道路管理者へ寄付するかたちをとる事になります。建設後寄付された「横断歩道橋」は、その所有者が道路管理者になるため、寄付後の維持管理費は道路管理者が負担する事になります。

図2.3

また、関係法令との比較表(表1参照)において、「横断歩道橋」は建築基準法、消防法、道路法、昭和32年通達などの法令に基づく申請が全く不要になるため、設置完成までの所要期間が建設工事関係の要素のみになり、ある程度正確なスケジュールを組むことが可能になります。
表1

「上空通路」は道路上の建築物にあたるため建築基準法上、設置が厳しく制限されています。
したがいまして土地購入前の出来るだけ早い段階で、「上空通路」設置の法的可能性について特定行政庁などへヒアリングすることが最も重要なことになります。(図4参照)また、設置許可のおりる可能性があると言う打診結果が得られた場合(設置許可の決定権者は4者連絡協議会であるため、協議会を開催してみないと許可がおりるかどうかはわからない)は、特定行政庁へ正式な事前相談申請を行い、許可がおりるまで早くて約半年通常なら1年近くかかります。
図4

大店立地法はトラブル事例でも述べたように、他の法令上の諸手続とは別に届出手続きを進めることができますが、上空通路が有る場合とない場合では特に交通に関する配慮事項の評価材料が全く異なるため、上空通路が法的に設置可能となってからでないと大店立地法の届出書は受理されません。

具体的な事例については、弊社無料相談サービスを御利用下さい。

図5

▼事例2
1万㎡以上の大規模集客施設を計画。

B社の悩み

工場跡地を店舗用地として購入取得しようとしているが、1万㎡以上の大規模集客施設を計画している。なにか問題点、立地出来るかどうかはどこに聞いたら良いのか?分からない。

アールアンドエーのソリューション

大規模集客施設とは(表1)に示される用途に供される部分の床面積が1万㎡を超える建築物のことです。大規模集客施設としての物販店舗は、大店立地法上の届出手続き(店舗面積千㎡以上が対象)が必要となるのは当然ですが、店舗部分の建築延床面積を1万㎡以上(店舗面積ではなく建築延床面積)の規模としたい場合は、工場跡地が大規模集客施設の立地が可能であるのかどうかを市町村又は都道府県の都市計画担当部署へヒヤリングする必要があります。

事例2_表1

県の都市計画課へヒヤリングした結果、平成18年5月の都市計画法、建築基準法などの改正に伴い大規模集客施設の立地規制が改正され、改正前では立地可能であった工業地域が改正後は「用途地域の変更又は用途を緩和する地区計画決定により立地可能」(表2赤枠参照)となり、現時点では店舗部分の建築延床面積は1万㎡以下にしなければならないことが判明しました。
事例2_表2

大規模集客施設を立地可能にするには、まず事業者が立地市町村の都市計画課へ都市計画を変更する案を作成し提出、市町村都市計画審議会において審議・可決されれば、市が県と同意協議を行い、県都市計画審議会において審議・同意が得られれば都市計画の変更(例えば近商に用途変え)が可能となります。(図1赤丸参照)この都市計画変更手続きの所要期間は1年半から2年程度かかるものと思われます。

具体的な事例については、弊社無料相談サービスを御利用下さい。

事例2_図

▼事例3
信号機丁字交差点の計画店舗駐車場出入口

C社の悩み

信号機丁字交差点に図のような計画店舗駐車場出入口を設けると信号機を介してスムーズに出入りできるようにしたい。

アールアンドエーのソリューション

店舗来客用駐車場は、通常不特定多数の方々が利用する路外駐車場に該当します。路外駐車場の出入口を設置する場合は、駐車場法施行令第7条に従うことになり、交差点や横断歩道部分には設置出来ません。(図1参照)

事例3_図1

ご質問では、(図2)のように計画店舗駐車場の中央前面に信号機付き丁字交差点がありますので、この交差点を十字交差点(前面の丁字交差点につながる開発道路を公道認定してもらう)へ変更出来れば、安全でスムースな駐車場への出入りが可能となります。しかし、現実には以下のような難しい課題があり実現した事例は少ないです。

「課題1」開発道路を公道認定するには開発道路部分の土地所有権を無償譲渡しなければならい。 「課題2」公道認定を前提とする開発道路は、通り抜け可能な道路形態(公道と公道を結ぶ道路)としなければならない。

事例3_図2

通常は、駐車場法に準拠した出入口しか設置できないので、(図3)のような駐車場出入口の設置となります。
※軽微変更や緩和措置等の判断基準や内容は、全国一律ではなく大店立地法の運用主体(都道府県又は政令指定都市)により変化します。

具体的な計画内容により対策案や代替案は微妙に変わってきますので、無料相談サービスを御利用下さい。

事例3_図3